初めて出産をした若い女性が、産後うつになるリスクを下げるには、妊娠中に頼れる人がどれくらい必要なのか。東京都医学総合研究所などのチームが25歳以下の女性で分析したところ、「6人以上」という結果が出た。
産後うつは子どもへの虐待を招く一因ともなる。とりわけ若い初産の女性は抑うつに陥りやすく、パートナーや1人の専門家だけでなく、より多くの人たちで支えるべきことが示された。
- 「産めば母性本能、は幻想」 長谷川眞理子さんが考える子育ての前提
疫学と精神医学に関する専門誌で発表(https://doi.org/10.1017/S2045796025000241)した。
都内の四つの区市に住む初産女性429人が研究に協力した。平均年齢は29歳で、158人が25歳以下だった。
妊娠早期の段階で「あなたが助けを必要としている時に、頼れる人は何人いますか」などの質問に答えてもらった。
そして産後1カ月の時点で、産後うつに関する専用の質問票を用いて抑うつの状況を尋ねた。
「悲しくなったり、惨めになったりした」などの項目に、どの程度該当するかといった形で点数にまとめる。9点以上だと産後うつの可能性が高いと判断される。
そのうえで、頼れる人数と点数との関係を分析した。
5人まで、点数は下がらず
その結果、参加者の平均点は6.2(25歳以下5.8、26歳以上6.4)だった。点数は同じ質問票を使った過去の研究結果と比べ、やや高めだったという。
26歳以上の人では、頼れる人が1人より2人、2人よりも3人と増えていくのに従い、点数は減っていく傾向だった。
ところが、25歳以下の人で…